歩く

ライティング29日目

新しい靴を履くのが嫌いだった。

真新しくどこもすり減っていない靴底が、踵をするように歩く自分のクセを思い出させるし、歩くたびにじくじくと響く靴擦れは、これから行く場所が自分が居るべき場所ではないと言っているようだった。

[わける]

何より,

は、高くない身長を丸めた背中でさらに縮こまりながら、最小限の動きで、昼下がりの街を歩いていた。もし彼に注目する者がいたら、動く歩道にでも乗っているように思っただろう。

そこだけ時間が止まっていたかの