次回予告
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窓の外を流れる景色は平穏の色をしていた。
それらを全て置き去りにして、たくろうの乗る電車は混沌の渦へと向かう。足に巻き付いたのは鎖か、毒蛇か。戦慄の足音から身を遠ざけるのは、腕に残る微かな温もりだけだった。
次回「飲み会からの帰路」
ジャック・ローズは甘い罠
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「飲み会からの帰路」
咀嚼という行為が生への執着ならば、死を喰らうことに誰が目を瞑れるだろうか。創られた終焉を享受し、今日も身体の輪郭通り生ぬるい血を巡らせる。ここは今年を忘れる場所。
次回「罪咎」
今年は、まだ、終わらない。
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「罪咎」
南瓜の馬車に揺られる少女。
小人に囲まれる夢見人。
本を閉じれば終わる物語。
それなら、鉄の牢獄に揺られ、死人と共に詰め込まれた旅人の物語は、いったいどこで幕を下ろすのか。
次回「扉」
零時の鐘声は、ここには届かない。
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「扉」
吹き荒ぶ憎悪から、生まれたての感情を守るように固く閉ざされた扉。
その扉には鍵穴がない。あるのはただ風化した蝶番。
その扉にはノブがない。あるのはただ深淵を窺うのぞき穴。
ガシャリと閉まる音だけが重くどこまでも響く。ここはこの世で一番深い場所。
次回「原点」
開く音を聴く者は、もう…
201912272240
「原点」
生の起源である琥珀の光。死の結末である楔の黒風。発端と終局の繋がりは久遠に続く脅威の円環。極低温。そこでは全てが静止する。幾重もの透明な壁が吹き抜け、世界はじきに願いを閉ざす。たくろうは内に縮こまる以外に抗う術をしらなかった。
次回「シェルター」
吐く息の白と共に、全てが消えていく